異世界のアフレクションネクロマンサー28
街の作り方一つで、リーフ達に置かれている状況が浮き彫りになり、他にも何かあるのではないのかと、辺りを見渡そうとした所で、
「ところで…アフレクションネクロマンサー様……」
「はい、どうしましたか?」
リーフの言いにくそうに、それでも何かを聞きたげな様子に意識を向けると、
「一つだけ……お父様の質問の時に言って無かった事がありますよね?」
「……お気付きになりましたか」
「リミィ様の件です」
「リーフさんは、あの人を「様」を付けて呼ぶんですね」
余計な混乱を生まないように伏せていた名前を、リーフの方から切り出し、
「もちろんです…あの方は本国の中でも、私達に寄り添って下さりましたから……」
そう言うと、寂しそうに遠くの大地の方を見つめる。
「……初めてお会いした時、リミィ様を知っているかと聞かれた時には思いました……アフレクションネクロマンサー様がこの世の危機に偶々現れたとのではなく、聖女様であるリミィ様が奇跡を起こして……この世界にアフレクションネクロマンサー様を呼んだというのが、本当の出来事なのではと……」
リミィ様が奇跡を起こして呼んだ、アフレクションネクロマンサー様を連れ去ったのではないかと……本当だったら、この街では無く、聖女様であるリミィ様の下に行き、今頃アフレクションネクロマンサー様の名を掲げていたのではという、罪悪感を吐露してしまう。




