異世界のアフレクションネクロマンサー25
「あの子も随分と、やんちゃをしたらしいじゃないか?」
「バカ共が、鞭を振って八つ当たりをしているのを止めて下さって、追い払ってくれたのには溜飲が下がる思いだった」
その時の事を思い出すと嬉しいのか、ビレーはポップコーンを食べるに木の実をボリボリと噛み砕く。
「まっ、それが呼ばれる原因では無いだろうが」
「あぁ、アフレクションネクロマンサー様だから呼ばれたんだろう。眠ったまま本国に連れて行かれなかったのと、彼の思想が貴族主義じゃなかったのが救いだな」
今でこそ、反逆者や弱者の味方というイメージが定着しているが、最初の頃のアフレクションネクロマンサーは貴族に寄り添っていたのを、重鎮達が知らない訳が無い。
彼の立ち位置を見定めるために、会おうとしているのだろう。
「あれだけ聡明なら下手に匿ったり、逃がしたりせずに直接合わせて良いだろうな」
「帰って来たら、打ち合わせをするか」
あの少年は、自分達に寄り添ってくれるアフレクションネクロマンサー様と信じて……
____
「本当に良い街です……こんな素敵な街でゆっくりと過ごせれば、幸せなんでしょうね」
「私も、この街が好きです。アフレクションネクロマンサー様さえ良ければ、この街にずっといて下さい」
「それは、有り難い話です」
見張り台の塔の上から、朝日で照らし出された街を二人で眺める。




