異世界のアフレクションネクロマンサー23
二人が部屋から出てから、しばらくした後、フレンも食堂の入り口の方へと向かい、
「すまないが、ベルガとビレーさんを呼んで来てくれないか」
「かしこまりました」
食堂の入り口で待機していたメイドに、ベルガとビレーを呼ぶようにお願いすると席に戻り、先程の少年とのやり取りを思い出して、小さく口角が上がる。
(面白い子だ……)
聡い子という印象を覚えたのもそうだが、物怖じしない態度にも関心を覚え、
「フレンどうだ。見込みのある少年だったであろう?」
「えぇ、目が覚めたばかりなら、色々と引き出せるかと思ったのですが、喰えない子でしたよ」
「だから言っただろ。あの子は少年だが気概があるとな」
少年の事を認めていると、食堂に来たビレーが開口一番に、礼人の事を褒めながら入って来る。
ビレーは最初から、変な小細工をしなくてもフレンが認める相手だと言っていて、その通りにの結果になった事に上がった口角は苦笑いに代わり、
「そんなにオヤジが褒めるなら、俺も一緒に同席したかったな」
「大の大人が、三人で子供を囲んだら安く見られてしまうさ」
ビレーとベルガが席に着いて、フレンと向き合う形になる。
「摘まむ物を貰って来たぞ」
「すまないな」
ベルガがテーブルの上に木の実の乾物を置き、それをフレンが手にして口に入れてモゴモゴしながら、
「あれほどしっかりとした子を、そのまま本国に連れて行くべきではないな」
「やはり、あの子は目を付けられるか」
「賢いペットは可愛いが、賢い獣は生かしておくべきではないからな」
二人も木の実に手を付けてボリボリと嚙み砕きながら、自分達の悩みの種を消化するために噛み始める。




