異世界のアフレクションネクロマンサー21
席を立とうとした腰を落ち着かせ、
「……差し支えなければ、その理由を聞きたいのですが?」
答えを出せないという答えの矛盾……少年がそれを真意と言えるなら、是非とも聞いてみたい。
「はい…私の目的は復讐……大切な人を鉄騎兵に殺された恨みを晴らすためにここにいます」
「……お辛い目にあったのですね」
一度は落胆して席を立とうとし、少年が興味をそそる発言をしたから、彼の真意に耳を傾けたが……正直、拍子抜けをしてしまった。
大切な人を殺されたという理由で、復讐したというのは理解出来る……が、それがすぐに出せない答えだというのだろうか?
そんな理由で、謀る事が出来ると思われているののなら、随分と馬鹿にされたものだ。
だったら、いっその事さっきの理由で押し黙っていた方が、交渉術としては余程……
「それに、霊能者として……魂を感じる事が出来るネクロマンサーとして、魂を殺戮の道具にする人達を許せないというのもあります」
「……なるほど」
いっその事、喋らない方が良かったと思った矢先に、少年は話を繋げて来る。
それならそれで構わないと、適当に相槌を打つが、
「それと、この世界と私の世界には何かしらの繋がりがあって、こちらの出来事が、私達の世界に影響を与えているので、それの解明をしないと」
「そうですか……」
「後、出来れば見付けたい魂がこの世界にいるかもしれないので、探したいと思っていますし」
「随分と目的がおありで……」
「それからですね」
「少しお待ちを」
少年の事を知りたいと思ったが、次々と出される目的に何が真意なのか分からずに、話の整理をさせる為に、彼の発言を止めようとしたが、
「アフレクションネクロマンサーの名前を受け継いで、困っている人達を助けてあげたいというのも理由です」
フレンの待って欲しいという言葉を無視して、礼人は最後にアフレクションネクロマンサーとしての願いを伝えてから、にっこりと微笑んだ。




