異世界のアフレクションネクロマンサー20
少年の方から話題を切り出してくれてのは、とてもありがたい話。
交渉術でも、同じことを何度も聞いては、相手にそこが自分が一番聞きたい事と悟られて、警戒されて真相を隠されたり、逆にウィークポイントとして付け込まれてしまう。
そういう意味から、彼に変に警戒されずに話が出来るのは、嬉しい事なのであったが、
「答えは出せませんでした」
「……それは、さっきの答えと反する形になってしまうのでは?」
奇妙な答え。
さっき言った事を、無かった事にしてくれというのと一緒。
「赤いモノ」を何とかしたいというのは、命令通りに言ったのか、それとも、勢い任せに言ったのか……
「そうですか……まぁ、焦らずとも答えはいつかは出るでしょう」
ならば、ここは大人の対応をしてあげよう。
この駆け引きの下手さ加減は少年らしいと言えば、少年らしい。
少年の情報を引き出したいという考えは、子供相手という思いで薄れ、
(どうするか……)
フレンはある悩みで、頭に頭痛が走ってしまう。
先程から少年の素性を、内心を知りたいと願うのは時間が無いから。
その原因は、あの拠点での出来事が起因している……少年の事を置いて、自分の置かれている問題を一人で何とかしようと、二人には食事を楽しんで貰って席を立とうとしたが、
「考えが出せない…それが、私の答えです」
考えがまとまらないのが答え……少年はそう言い切ってみせた。




