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異世界のアフレクションネクロマンサー11
一つ一つの造形に目を奪われ、目を輝かせていると、
「どうですか、この街は?」
礼人の見惚れている様に、リーフが喜びを帯びた声で質問してくるので、
「えぇ…とても美しい街並みです」
素直に目の前の光景を褒め称え、
「まるで、この風景は……」
自分の頭の中にある時代と、この世界の文明レベルに近い世界を思い浮かべ、
「こ……ローマみたいです」
「ローマ?」
「えぇ、私の知っている美しい国とそっくりです」
礼人は言葉を濁す事が出来た。
目の前にある光景は確かに美しく、まるで観光旅行に来たかのような気分にさせてくれるが、
(古代ローマ位の文明なのか?)
敷き詰められている石はレンガ等の加工されている物ではなく、大小様々な石が敷き詰められている。
そして、家の方も同じで、大小様々な石を積み重ねて、家の形を作り出している。
実際は、そんな簡素な物で家が建てられる訳も無いので、もっと近くに寄って見てみれば、何らかの技術的な物はあるのだろうが、遠目から見る限りでは、近代社会とは時代背景が違うのは感じ取れる。




