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異世界のアフレクションネクロマンサー10
どこまで行っても、陰鬱な怨念達の赤い空に覆われて、大地に降り注ぐ光は赤く染まり、気が滅入る数日間を過ごしていたが……
「外が気になりますか?」
「わっ!?」
久しぶりに見た、着色されていない太陽の光に見惚れていたら、礼人が返事をする前に、リーフは礼人の事をお姫様抱っこして、窓の方へと近付く。
一週間も寝ていたから、体がまともに動かないだろうという配慮なのだろうが、
「リーフさん!?」
「気にしないで下さい。私、力持ちですから」
そういう事では無いのだが、お姫様抱っこから逃れる術を持たない礼人はそのまま、落ちないように体を小さく縮こませて、成すがままに窓際に連れて行かれると、
「ここが、私達の街です」
「これは……」
目の前に広がるのは、まるで外国に来たかのような、見事なまでの西洋の風景が広がる。
地面は剝き出しの土では無く芝生か、石が敷き詰められて舗装され、家も同じように石で思い思いに、彫刻のように様々に建てられていて、まるでジオラマを見ているような不思議な風景に、感動して黙ってしまう。




