異世界のアフレクションネクロマンサー9
特に、あの子供の魂。
礼人との繋がりが強く、体内の事情を知ったからこそ他の魂達の協力を得て、左眼が潰れて無くなってしまうくらいならと、最期の散り際に水晶化させてくれたのだろう。
「この左眼は……誇らないといけないですね」
最期の瞬間まで、自分の事を想ってくれた魂達を胸に刻む。
「みんなの想いが、水晶に籠っているんですね」
本来なら、全力の一撃を放ったことで死んで。
本来なら、生き返っても左眼が潰れてしまっていたはずなのに、新たなギフトを送られた事で全てを失わずに済んだ。
失った物は取り戻せないが、それでも前に進める……まだ未来を掴める……
「そうだ……ここは街と言ってましたけど?」
生き延びた希望を胸に、自分達の置かれている状況を確認すると、
「私達の故郷の街です。ここにいれば安全です」
「それは、ありがたい話です」
どうやら、一時的な平穏では無く、ゆっくりしても許される時間を手にしたらしい。
部屋の中を照らす太陽の光が心地良く、もう一度目を閉じれば眠りに付けそうだったのだが、
「……光が赤くない?」
そう、この世界に来てからは空が赤い怨念が立ち込めていた為に、太陽の光が大地に届く時には赤く染め上げられて、この世の地獄のような雰囲気を醸し出していた。




