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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
夢の中
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夢の中56

そうして距離を詰められないように距離を保っていたが、その行いにもどかしさを感じたのか鋼鉄の巨人の歩くスピードが少し速くなるが、それに対しても礼人は合わせて後ろに下がるスピードを速める。


ズシズシと雪を踏みしめて前に進む鋼鉄の足だが、同じように後ろへとサッサッと下がって行く礼人の足。


ズシズシと進めばサッサッ、ズシズシと行けばサッサッ。


ズシズシサッサッズシズシサッサッ……そうして足のワルツの音が奏でられていたが、


『ザクッ!!』


ズシズシと掻き分けていた鋼鉄の足が、遂に痺れを切らせると雪を強く踏み付け、


『ザクッザクッザクッザクッザクッザクッ!!!!』


雪を掻き分けて力強く駆け始める。


鋼鉄の巨人も、力が未知数な礼人に対して様子を見る動きを取っていたが、あまりにも消極的な動きをするのに対して苛立ちを覚え、周りの大人と比べて相手が少年という判断も鋼鉄の巨人の足を加速させる要因になる。


目の前の相手は自分に対して腰が抜けている…それは少年兵だから……戦場に連れ出された少年を可哀想という感情を持ち合わせてはいるが、腰が抜けた少年など圧を掛けてそのまま圧し潰せば良いというのも知っている。


後ろに雪の上でステップを踏むように逃げ出す礼人に、前に進みながら雪を掻き分ける鋼鉄の巨人はズンズンと距離を詰める。


鋼鉄の手が届くまでの距離が縮まっていく。


礼人に近付く程に、鋼鉄の巨人が振る腕が大きく揺れる。


意気揚々と歩を進めてくる鋼鉄の巨人、少し詰められた差は段々と詰まって大分詰まった差となると、


『ぐうぅぅ……』


鋼鉄の巨人の腕が時を刻む振り子のように大きく揺れる。


(このタイミング……!!)


礼人は臨戦態勢に入った鋼鉄の巨人を見逃さなかった。


待っていたのだ、鋼鉄の巨人が戦う姿勢に切り替わるのを。


力の差がある以上はまともに正面からやりあえないというのは物理的な話だけではない、戦法としても正面からやりあうのは得策では無いという事だ。

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