異世界のアフレクションネクロマンサー3
不思議なもので、夢の中にいた時はあれ程意識がはっきりしていたのに、目が覚めた後は意識が惚けている。
それは安全な所にいると、無自覚に感じて惚けているのもあるかもしれないが、
「どの位……眠ってたんですか?」
「あれから、一週間は眠り続けていたんですよ」
一週間…ずっと眠っていたから…戦って……戦っての戦って。
休まる時は一時もなったのだから、頭の中が惚けるまで眠るのは仕方ないこと。
随分と寝ていたんだなと思いながら、手と手を握ってひっくり返すストレッチをして、まずは眠っていた体を目覚めさせ……
「……体が動く」
無意識に行ったストレッチで手が、腕が動く事を認識すると、膝を畳んで胸元に寄せる事も出来るし、指も全てが動く。
全てが動くという事は、体のどこも失う事無く済んだということ。
そのまま体育座りの姿勢に変えて、片膝に鼻を付けて体を丸め、全てが無事だったことに感謝する。
「あの…アフレクションネクロマンサー様……」
五体満足で…無事に決着を付けられて……
「鏡を……」
「鏡……?」
リーフは何か言いにくそうに、手鏡を自分に差し出している。
なぜ、リーフがそんな事をしているのか分からなくて、戸惑ってしまったが、
「あの…お顔を……」
その言葉で、五体満足では済んだが、顔に問題があるというのを伝えられてしまった。




