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異世界のアフレクションネクロマンサー2
名前を失っていたあの時とは違う。
覚醒していた意識は、リーフの声に誘われて簡単に目を開けられ、
「ご無事だったのですね!?」
「……ここは?」
外から太陽の光が刺し込んではいるが、少し暗い部屋で……だけど、少しうす暗い明るさが心地良い。
広さ的に籠の中ではない…部屋?
それに自分の体の上に掛けられている毛布は、草木生い茂る山の中で野宿していた時には無かった物。
自分が部屋の中で、ベッドの上で寝ていた事は理解出来るが、戦場にいたはずなのに何でこんな状況になっているのか……それが理解出来ない。
どうしてこんな事になっているのか、それとも目が覚めているつもりで白昼夢を見ているのか、その事を聞こうとすると、
「ここは私達の街です。あの後アフレクションネクロマンサー様は眠られて……生き残ったみんなで、ここまで帰って来たんです」
リーフは、嬉しそうに微笑みながら、自分の事を聞きたかった事を教えてくれる。
「そう…良かった……」
そう言われて疑う事は無い、無事に帰れ……無事でいられた事に胸を撫で下ろす。




