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旅立ち353
苦しみの果てから産み出される力は絶大で、完全に制御出来るものでは無かった……
完全に制御出来るものでは無いから、戦場で近くで解き放って暴れさせるモノのがセオリーだ。
本来なら、解き放てば死をまき散らす凶悪な存在であったが、
(エアリアを、たった一人の者が始末出来るというのか……)
あの時響いた轟音は、離れていたギークギラすらも震わせ、自分の意志とは関係無く、まるで飼い犬が飼い主に怒鳴られたかのように身を縮こまらせた。
あの轟音を、死んだ者達を利用し、死んだ者達に鞭打つ行為に対しての、神の怒りだと言われても信じてしまう。
ここまでの死の運命を覆し、生き延びて勝利を分かち合う彼等に背を向け、
(君達の側にいるのは、間違い無くアフレクションネクロマンサー様だ……)
アフレクションネクロマンサーを称賛して、レンス様の元へ帰って行くのであった。




