旅立ち349
「成仏出来ない魂達を捕らえて、言うことを聞かせる方法は・・・・・・魂達の思い出の中に、鉄騎兵を送り込んでいるからなんだ」
そう言って、自分達に絡み付く赤い触手を握り締め、
「ただでさえ、苦しい思いをした中で亡くなった魂達を、何度も何度も残酷に死なせて・・・その苦しみをエネルギーにして・・・・・・」
礼人の中の霊力が高まると同時に、左目が淡く光だし、
「決着を付けるんですね?」
リーフの言葉に、礼人は頷いて、
「魂達の中に入り込んだ鉄騎兵を始末する!!」
『きぃきゃあぁああぁあぁぁぁあああぁぁ!!!!!!』
礼人が触っていた触手が一気に崩壊して、そこからボロボロと出来損ないの人魚に向かって崩壊が始まっていく。
それは、礼人が解き放った霊力が触手を辿って、魂達の中に入り込んでいた鉄騎兵達を消滅させる。
「この悲鳴は?」
「大丈夫、この悲鳴は魂達のじゃないよ。鉄騎兵の悲鳴だよ・・・」
消滅しながら悲鳴を上げる出来損ないの人魚・・・それは、この戦いを終わりを告げるものではあったが・・・・・・
(けれど、これじゃあ・・・・・・)
魂達を完全には救えない・・・この世界が穢れていては、解放された魂達は、再び赤く染まる・・・根本的な解決にはならない。




