夢の中54
その姿は静かで……まるで幻のよう儚く、今にでも消えてしまいそうなのに彼から感じ取れる霊力は尋常ではない。
なぜこんなことに?
彼の下に横たわるあの人を見た瞬間に心の中で強い後悔を覚えて、アニーは絶句してそれを言葉に出来なかったが、
「これが答えです……」
まるで、アニーが聞きたかった事を彼が答える。
彼は雪の上に膝を付いて、自分の足元に倒れている自分を愛してくれた愛した人の亡骸を抱きしめ、
「じいちゃんが…僕を生贄にすれば…この状況を……」
冷静に…落ち着いて…言葉を選んで……
「アニーさん…なんで?……なん………な…っ何をしているんですか!!!?」
彼…礼人は堪え切れなくなった感情のままに叫び声を上げると、礼人の背中から銀の蝶の羽が広がる。
「いつもは不敵に笑みを浮かべて!!こんなもんですかって!?難無くとこなしていくのが貴方なのに!!なんで今っ!!今に限ってこんなことになってるんですか!!!!!!」
「あぁ…あぁ……」
アニーは言い訳がしたかったが声が出ない……自分はこの世界で産まれたが、違う世界の血筋だと…運命の歯車が今この時に動いてしまったということを言いたかった……言いたかったが声が出ない。
そんな口をパクパクとして言葉を吐き出そうとしているが言葉に出来ないアニーから視線を外し、
「お前だけはこの世界から完全に消滅させてやる!!!!!!」
鋼鉄の巨人を睨み付けた瞬間、礼人の周りの怨霊の霧が晴れたかのように消滅した。
「「あれは……アフレクションネクロマンサーなのか……」」
鋼鉄の巨人は自分に対して敵意を向ける礼人を「アフレクションネクロマンサー」と呼び、
「「お前はあれを知っていたのか?」」
鋼鉄の巨人はアニーの方を向いて、礼人の事に付いて聞くが、
「………………」
「「そうか……」」
アニーは無言のままで何一つ反応しない。
「「……我々の邪魔になるならば、あれを始末しなければならない」」
我々が求めた答えでなければ、ただの邪魔者でしかないと鋼鉄の巨人は礼人を始末しようと、その足を一歩踏み出す。




