536/1400
旅立ち338
神は関与しないと言っても、出来損ないの人魚はそうは言っていない。
コアを連れられて行かれては…コアが無くなればその姿を維持出来ない。
神が関与しないのはリーフだけじゃない、出来損ないの人魚に対してもそう。
出来損ないの人魚の死骸から伸びる赤い蜘蛛の糸を、神は許す。
好きなように奪い合えと……
「やめなさい!!」
赤い蜘蛛の糸はリーフを捕まえたまま、繭の方にも赤い糸を飛ばす。
この繭によって、出来損ないの人魚も死神の誕生の為の栄養源にされたが、それでもこの繭を自分達の物にする事が出来れば……出来無ければ崩壊する。
出来損ないの人魚は、丘に上がってしまった人魚。
毒が混ざっている水だとしてもと、飲まなければ死んでしまう。
赤い蜘蛛の糸は、繭に引っ付くと同化を再び始める。
「だったら……!!」
リーフは翼を消す。
地上に帰る為の条件を潰して、もう一度、右手に自分の持てる力を込める。
(あなたが無事なら…それで……)
運命があるのなら、きっとアフレクションネクロマンサー様は助かる。
この繭の中にいては危険。
一刻も早く、ここから出してあげないといけない。




