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旅立ち329
死を司る神になれなかった繭を、神は見放す。
「待って・・・」
へその緒が『ぷちぷち』と、千切れる音を立てる。
もう少しで神になれたとしても、この世に生誕出来なければ神ではない。
「くっ・・・」
地上に落ちてしまわないように右手を伸ばし、へその緒を掴もうとしたその時、
『ぶちんっ!!』
「あっ・・・」
無情にも、へその緒は切れてしまった。
神は、救いの手を伸ばさなかった。
もしも、同じ神同士なら首の皮一枚程度は、へその緒を繋げてくれたかもしれないが、二本のへその緒は同時に千切れて、繭にしがみつくリーフごと地上に送る。
せめての神の優しさは、ここで止めを刺す程残酷ではなく、
「まだ・・・!!」
必死になって、ボロボロになった翼を羽ばたかせるリーフの邪魔をしないこと。
助けもしないが、その場で殺そうともしない。
生きられるなら勝手に生きれば良いし、死ぬなら勝手に死ねば良いというスタンス。
神の思し召しは、勝手にやれというのなら、
「目を覚ましてアフレクションネクロマンサー様!!」
勝手に生き延びてやるだけ。




