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旅立ち322
鋭い痛みの後に、皮が、肉が切れてジクジクとする感覚を思い出し、
「こんなの、ばっか思い出して‼」
苦しみに悲しみ、痛みに苛立ちを思い出してしまう。
ジクジクと痛む首に手を当てると、
「首輪か・・・・・・」
それは子供の首に締め付けられている、真綿のように細い首輪と同じ物が、この世界から逃げられないようにするために、自分の首に括り付けられている。
「くっそぉぉぉぉぉぉぉ‼‼」
この首輪が、自分の力ではどうしようも出来ないのが分かっているから、人影は苛つくままに咆哮を上げる。
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アフレクションネクロマンサー様を助けようと繭に手を着けて、引き千切ろうとしたが、まるで分厚い生肉を触ったかのような弾力に、それが無謀だと感じ取り、
「だったら‼」
魔力と魂の力を手に集中させて、繭を焼き切ろうとした時だった。
『ドクンッ‼』
「きゃっ!?」
繭が一段と強い脈を打つと、リーフはその場から弾き飛ばされてしまったが、
「くっ・・・まだ‼」
まだ喰らい付ける。
翼を羽ばたかせて、繭に接近する。




