旅立ち321
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トクントクンっと鼓動を震わせる繭。
命の鼓動が響く。
「なんなの・・・・・・」
アフレクションネクロマンサー様がいた所に、辿り着いたリーフが目にしたのは、脈を打つ繭。
この繭が赤い鳥を生み出すコア・・・・・・この中にアフレクションネクロマンサーが捕らえられて、この化け物の心臓になっている・・・・・・そう思ったが、
「それだけはダメ‼」
もっと、最悪な事が起きている。
繭は心臓ではない、芋虫が蛹になって成長になるための成長の過程。
この鼓動は、この化け物を生かし、赤い鳥を生み出すためではない、この世に生まれてくるために、時を刻む音。
トクントクンと一回一回脈を打つ度に、生まれる時が迫る。
「今、お助けします‼」
このまま、繭の中で成長したらアフレクションネクロマンサー様が、死神になると直感が言う。
生きとし生けるものを狩り、死して魂になったものすら狩り取る死神。
化け物ではなく、死神に・・・・・・
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「なんだっ‼」
首に走った痛み、それが引っ掻いた程度の痛みなら、我慢をしてでも立ち上がったろうが、首筋に走った鋭い痛みは紙で指を切ったかのような痛み。




