旅立ち318
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(どうしよう・・・・・・)
多分だが、この首輪を無理矢理外そうとして、首を落としたら・・・・・・
(死ぬ・・・・・・)
この記憶が自分の物なら、この子の首が落ちた瞬間に、自分が完全に消失するはず。
悪い方向での強い干渉は、死を招く事を肝に命じて、
(部屋の中を・・・と言ってもな・・・・・・)
部屋の中は殺風景な部屋。
ベッドに本棚、机に椅子があって・・・いや、それしかない悲しい部屋。
玩具とか、漫画とか、病人が持つものじゃないと、一切与えられなかった・・・・・・
(そうだ・・・この部屋は・・・牢獄だ・・・・・・)
自由はない。
ただ、病人を押し込むだけの部屋。
子供の夢が、一切存在しない牢獄。
自分の名前よりも先に、この部屋が牢獄だった事を思い出してしまうと、
(うっ・・・)
意識が遠退いて、足の力が抜けて立っていられなくなり、
『ガチャン‼』
床に倒れる前に何とか椅子を掴んで、机から乱暴に引き出すと、倒れるように椅子に座り込むのであった。
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「ぴぎゃ‼」
「ぎゃっ‼」
コアの争奪戦に参加したリーフの力は絶大で、拮抗していた戦況は、リーフの翼が羽ばたく度に、赤い鳥達は翻弄されて、その隙を突いて翡翠の蝶が、赤い鳥を無に還す。




