旅立ち294
仲間のエルフ達によって作り出された時間、この時間の内に、
「姫‼考えるのです‼」
「・・・・・・ダメ・・・出来ない」
何とか、あの出来損ないの人魚の始末をつける方法を考えるように説得するが、リーフは自分の髪を掴んで頭を振って、考えがまとまらないと訴える。
みんなを見捨てて、あの出来損ないの人魚と戦うとして・・・・・・どうやって、倒せば良いのか?
アフレクションネクロマンサー様が相手にして倒せなかった化け物を・・・・・・アフレクションネクロマンサー様に劣る自分が同じことをしても、無駄だと・・・・・・
考えれば考えるほどに悪い事だけが形になり、考えた分だけ可能性が消えていってしまう。
みんなが作り出してくれている時間の中で、苦しみ悩んで答えを出せないリーフと同じように、
『バチバチバチ‼‼‼』
赤い霧の中から生まれ落ちてくる赤い手の平も、手を伸ばせ届く所に命があるというのに、雷の網のせいで命に触ることが出来ずに苦しんでいた。
赤い霧の中から落ちた後は、赤い手の平に出来ることはそのまま地上に向かって落ちること。
赤い霧の中なら自由自在に泳げるが、赤い霧から離れてしまっては、陸に上がった魚、泳ぐことは叶わずに地上にいる命を目指すことしか出来ない。




