旅立ち293
しかし、目の前にいるのは礼人の家族ではない、リーフの家族。
絆という鎖が足をがんじがらめにして、絆という錘に繋がれて、リーフは飛び立つ事が出来ない。
もっと良い方法が、もっと別の方法が……抜け出せない思考の檻に捕らえられてしまっている。
檻の中に捕らわれた親鳥は、必死になって何かの答えを出そうと、もがき苦しみ、このまま答えを出さずに終わりを迎えようと、運命が突き進むが、
『『ヒューーーーーー……パァァァン!!!!』』
「サンダーウェーブか!!」
エルフの援護であるサンダーウェーブが飛んで来て、リーフ達がこれ以上、終わりへの運命へと進んでしまわないように保護してくれる。
「放て!!放て!!」
「サンダーウェーブを途絶えさせるな!!」
エルフ達は、出来損ないの人魚から赤い腕が生えて襲って来た時には、自分達の力ではどうにも出来ないと尻すぼみして、アフレクションネクロマンサー様に頼ってしまった。
だが、離れていても分かる仲間達の死に物狂いに立ち向かう様子に、自分達も戦わなければならないと、
『ぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃ』
仲間を守る事で矛先が変わって、あの赤い何かが自分達の方に迫って来る事になったとしても……




