旅立ち290
(助けなきゃ!!)
この化け物に対抗出来るのは自分だけ、自分が見捨てれば、死んでしまう命。
でも、自分が手を伸ばせば助かる命。
迷う事は無い。
手を伸ばせば助かる命を、見捨てる理由は……
「何をされているのですか!?姫!!」
「あっ……」
見捨てる理由はある。
空へと地上へと戻ろうとしていたリーフを、地上にいたオーク達が怒鳴りつけ、
「我々を犠牲にしてでも勝利を掴むと、言ったでは無いですか!!」
「でも……」
「アフレクションネクロマンサー様は!!我々を見捨ててあの化け物に一撃をぶちかましました!!約束通りにです!!」
アフレクションネクロマンサー様に見捨てられた事によって、オーク達は空から落ちて来る赤い手の平に襲われて、苦しんでいるが、
「我々を見捨てたアフレクションネクロマンサー様に恨み言を言っている者がいますか!?我々が今、一体何をしているのか分かっているんですか!?」
自分達を守ってくれなかったアフレクションネクロマンサー様を恨む者等、誰一人いない。
アフレクションネクロマンサー様は、完全なる勝利をもたらす事が出来ずに息絶えてしまったが、
「アフレクションネクロマンサー様がくれた希望の炎を、絶やすつもりはありません!!!!!!」
彼等に、アフレクションネクロマンサー様がいなくなってしまった絶望よりも、アフレクションネクロマンサー様が作ってくれた希望が、戦う意思を燃え上がらせる。




