旅立ち285
『ビチャン……!!ビチャン……!!ビチャン……!!ビチャン……!!』体当たりをされては、翼を羽ばたかせて追い払うが、自分に迫る影の数は次第に増えて、
『ビチャビチャビチャビチャビチャビチャビチャビチャン!!!!!!!!』
「離れなさい!!」
リーフは絶え間無く、影からの衝撃に襲われ続ける事になる。
翼を羽ばたかせて払っても、払った次の瞬間には影がたかり、それは次第に、地上に落ちた小鳥が、アリに襲われて群がれているかのような光景になっていく。
白い光を輝かせてい翼が影に覆われ、光を隠された翼は赤く染まって、悪魔の翼のようになり、
「何が……!!」
リーフの体も赤く染まっていく。
決して、体当たりをされた衝撃で怪我をして、服が鎧が赤く染まっていっているのでは無く、影がぶつかって、その時に残った影の肉片のせいで赤く染まっているだけなのだが、
「気色の悪い!!」
自分の体を勝手に赤く染め上げられていく事に不快感を覚えて、この影が一体何のか確かめるために、
「うぐっ……!!!!」
無数にぶつかって来る影に我慢して、無数の影の中に手を突っ込んで握り締めると、何かを掴んだ。
『バサンッ!!』
何を掴んだのか調べるために、ありったけの力で翼を羽ばたかせて、翼に張り付いた影の肉片を弾き飛ばすと、そのまま滑空して赤い霧の外へと飛び出す。




