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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
夢の中
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夢の中47

蝶から放たれた鱗粉が、鋼鉄の巨人にどれほどの苦しみを与えているのか?


それは、グツグツに湯だった熱湯を絶え間無く浴びせ掛けられていると思えば、鋼鉄の巨人が半狂乱になってしまう理由は分かって貰えるだろう。


八大地獄の一つ叫喚きょうかん地獄、それは熱湯の煮えたぎる大釜に罪人を堕とす罰であり、その効果の程は地獄で採用される罰し方でもある。


自分の張り付く鱗粉を払おうと腕を振っても、触れた瞬間に鎧に染み込んで体の中を煮ていく。


それは外部からの攻撃を防ぐ鎧など全くの意味を成さず、


「ぐぎゃぁぁぁぁぁ!!」


鋼鉄の巨人は成す術も無く、苦悶の叫びを上げて苦しむしかない。


しかし、霊力の蝶一匹でここまで鋼鉄の巨人を苦しめるとこが出来るといのなら、なぜ最初から行わなったのかという疑問、疑念が湧くだろう。


最初からこの蝶を作り出して相対すれば、アニーも礼人も周りの者も、誰一人傷付くことは無かったのでは?と。


その事についてはその通りで、もしも最初から二月がこの蝶を作り出していたら結果は全く違っていたと断言して良い。


ならば、何故しなかったのか?


年から来る年齢?出し惜しみ?読み間違えた?


いや、それは違う。


答えは、二月にそれだけ大きな蝶を作り出す技術も霊力も無かったからだ。


そもそも、二月が作り出せる蝶の大きさは量を求めればシジミ蝶、質を上げればアゲハ蝶くらいで、こんな人と同じ大きさの蝶など今の今まで作り上げた事等無かった。


今までそんなことが出来なっかのが、今になって出来る理由とは?仲間を守りたいという思い?傷付いた孫の礼人の為?


それもあるが、先ほど二月が礼人の血を触ったのを覚えているだろうか。


古来より人柱という言葉がある。


人間を生贄に捧げて、神に願い事を伝えたり怒りを鎮めたりする行いである。


程度にもよるが霊能者でも無い者が命を捧げれば神は耳を貸し、時には怒りすらも収める。

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