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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
旅立ち
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旅立ち265

自分が離れている隙に、一人のオークが引き離されて捕食されたのに気付いた礼人は、


「だあぁぁぁぁ!!!!」


言葉にならない怒りを叫び声にして、右手を振るうと翡翠の剣から衝撃波が飛んで、


『パァン!!』


地面にメンコを叩き付けたかのような音が破裂すると、巣から雛鳥を奪おうとしていた出来損ないの人魚の細腕が吹き飛ばされる。


細腕を吹き飛ばされた出来損ないの人魚は、それでも笑みを曇らす事無く、礼人の抵抗を無駄な事と、さらに深い笑みを浮かべ、


『ひゅぅるぅるㇽる』


鳴き声を上げながら、今度は十本の指先を伸ばして、それぞれがクネクネとあられもなく獲物を狙いに行く。


それはまるで十匹の蛇が、それぞれ獲物を狙いに定めたかのように伸びて、


「何度も何度も!!」


『パァッパアン!!!!』


翡翠の剣を今度は二振りして、右腕に左腕と翡翠の衝撃波を直撃させて、腕の軌道を逸らし……


「「うわぁぁぁぁぁ!!」」


「「アフレクションネクロマンサー様ぁぁぁぁ!!」」


「「助けてくれぇぇぇ!!」」


腕の軌道は逸らされたが、逸らされた腕とは関係無く、指先はひょろひょろと十本の指は伸びて、雛鳥を攫っていく。

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