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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
夢の中
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夢の中45

「「おぉ……」」


逃げまどっていた仲間達が強大な霊力を感じて振り向き、二月が作り出した蝶を見て、感嘆の声を上げる。


霊力で作り出した蝶……これが二月の切り札。


アニーのように霊力を放出する技だが、光の矢とは違う。


二月の周りに留まって呼吸をするかのように羽を大きくはためかせると、鋼鉄の巨人は威圧されたのか、その場で足を止めて動くのを止める。


圧倒的な巨体を誇る鋼鉄の巨人が怯む。


それは鋼鉄の巨人程の大きさではないが、1m半は余裕で超えている。


それだけの大きさを誇る蝶など生物学的には存在しないが、ただ大きいだけなら一回りも二回りも大きい鋼鉄の巨人は決して怯みはしなかっただろう。


だが、現に鋼鉄の巨人は、


「ぐぅぅ……」


二月の作り出した一回りも二回りも小さな蝶に、低く唸りながら警戒をしている。


さっきとは打って変わって警戒をしているのは、二月の作り出した蝶がただの蝶ではなく、蝶の形をした霊力の塊であったからだ。


蝶の形を成し、羽ばたく動きすら見せるこの蝶の霊力の濃度は計り知れない。


二回りは小さいとはいえ、これほどの霊力が圧縮されている蝶に襲われれば、鋼鉄の巨人の半身は間違い無く吹き飛ぶ。


それを理解しているのか感覚で感じたのかは分からないが、霊力の蝶を間違い無く鋼鉄の巨人は警戒をしている。


そして、それは二月も分かっている。


自分が作り出した人と同じ大きさを持つ霊力の蝶が間違い無く、鋼鉄の巨人を撃ち滅ぼす力を持っている事を。


互いに互いを見る。


睨むとかそういうのではない……強いて言うのなら値踏みをしていると言うのだろう。


どちらにも勝つ条件があり、負ける理由がある。


一騎打ちとなれば的確な判断に、流れて揺れる運を引き込む力、自分をどれだけ理解し相手をどれだけ把握出来て、負けないという執念を持ち合わせられるかと様々な要因が重なる。

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