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旅立ち242
しかし「君達の籠手には、この世界で傷付き亡くなってもなお!!我々に生きて欲しいと願っている魂達の加護がある!!」その言葉は、あくまでも亡くなっていった者達が自分達を見守ってくれているという、励ましの言葉かと思って聞いていたが……
「我々の受けた苦しみ!!」
魂の加護が宿る籠手を力の限り握り締め、鉄騎兵に狙いを定め、
『ガゴ!!』
『グフ!!』
右の重たい拳が躊躇無く、鋭い一撃となって鉄騎兵の右顔面を捉え、
『ガゴ!!』
『ブフ!!』
左に顔を揺らしながら、痛みに耐え切れずに顔を押さえて、ガラ空きになっている横っ腹に左拳がめり込み、
「アフレクションネクロマンサー様と共に晴らす!!!!」
横に撃ち抜かれた一撃を許容出来ずに体が、くの字に曲がると、顔を押さえていた手が開き、
『ガァゴォン!!』
人より大きく、筋肉の塊である魔獣オークの全体重と全精神を乗せた破壊の一撃が、鉄騎兵の顔面を寸分の狂い無く捉えると、
『ブフゥ……』
オークよりも大きいはずの鉄騎兵が文字通り吹き飛んだ。




