438/1400
旅立ち239
頭の中で思い浮かべていた鉄騎兵のイメージはどれも強大であり、全開の状態で数体相手に出来ればと思っていたが、目の前にいる鉄騎兵は、粘土細工かと錯覚するほどに柔らかい。
「私が前で複数を相手にします!!皆さんは1対1で戦えば恐れる事は決してありません!!油断をしないで掛かって下さい!!」
「おぉ!!突撃だ!!」
ここで、突撃の指示を出す。
当初の自分を中心に、何とか抵抗して相手が引き下がるのを期待し、最悪のケースは鉄騎兵を減らすことで敗走した自分達を追って来る数を減らす算段であったが、事情が変わった。
礼人が先陣を切って跳んだのを合図に、オーク達も続いて走り出すと、
『『『『ガシャンガシャンガシャン!!!!!!』』』』
鉄騎兵達も地響きを鳴らして突っ込んで来る。
大軍である鉄騎兵が、鎧を鳴らして向かって来るのは圧巻であり、バッファローの群れが攻め込んで来ているようであったが、
『ヒュン!!』
礼人が霊力の鞭を振るうと鉄騎兵の首と体が二つに裂かれて、その場で体から赤い液体を噴出させて倒れ込んだ。




