表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
夢の中
43/1400

夢の中43

引きずり込まれる感覚が、地に向かって落ちていることを教えてくれるが、それでどうにかなる事は無い。


人が空を飛ぶのを夢見たのは何故か?


それは簡単な事、空を飛ぶための翼が無いからだ。


自由に空を飛べないから夢を見た。


もちろん、今では空を飛ぶ為の技術は確立されてはいるが、それは道具という技術があっての話であって、人間として能力の話ではない。


技術の翼を持たない人間が空に上がればどうなるか?


それはニュートンのリンゴのように地へと落ちるしかない。


下は雪だから落ちても大丈夫と思うかもしれないし、実際落ちても大丈夫だろうが、それよりも問題は、


『ゴッ!!』


「……っ!!」


ここが森林の中だということ。


細く柔らかい枝ならば大丈夫かもしれないが、太く固い枝にぶつかったのならば話は違う。


鋼鉄の巨人は何の躊躇ためらいも無く、二月達を空へと飛ばした。


二人の体重を合わせれば100キロもあるであろう質量を簡単にだ。


例えばの話だが、ガラスで出来たラムネ瓶は固い。


軽く叩いたり、少し乱暴に扱っても壊れはしない。


しかしそれが強く叩けば?乱暴に扱えば?


答えは一つ、ラムネ瓶は簡単に壊れてしまう。



人の体がラムネ瓶と一緒じゃないのは分かっている。


肉と骨で構成された人体、固さと柔らかさを兼ね合わせた肉体とは違う。


「ぎっ……!!」


柔軟性を備えた肉は衝撃に強いかもしれないが、それは衝撃を完全に防ぐの物ではなく、


「ぅぐっ……」


ぶつかった勢いで皮膚は裂けて血が舞い、衝撃が体内に染み込むと骨が軋しんで内臓が震える、体が圧縮されるような感覚を感じる。


目に映る光景を脳が拾うが意識できない…いや……認識したくない……怖い……


今ここで起きている事自体が理解することも出来ないが、例え理解出来たとしてもどうにもならない……


戦いの恐怖に飲み込まれ、まともな思考が出来なくなった所に、


「げっ……!!」


頭に強い衝撃を受けると、それに耐えようとするのではなく、いとも簡単に気を失うことを選んでしまう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ