旅立ち222
こうして、朝から始めた除霊は昼辺りで終わりを告げ、
「ふぅ……」
みんなから少し離れた所で、大地に座り込もうとした所で、
「アフレクションネクロマンサー様こちらへ」
リーフに呼ばれた方を振り向くと、そっちには貴族の置いていった籠がある。
それは籠の中で、休んで下さいという事なのだろうが、
「いえっ…それはちょっと……」
あの籠が高慢ちきなエルフ共が使っていたのもそうだが、自分だけ特別扱いされる事に嫌悪感を抱くのだが、ビレーが、
「良いですか?人には立場があります。分不相応な者が高い所にいるのは誰も心から納得することが出来ません。けれど、誰もが納得する御方が低い所にいるのは、同じ目線で物事を見るという意味では良いですが、それは自分の価値を下げ、時にはその態度が隊の不穏を招く事もあります」
「だとしたら……」
だとしたら、自分はまだアフレクションネクロマンサーとしては未熟で、先程の貴族に対する傲慢な態度は、無関係な人物だから出来た事であって、目の前の見知った人に対して上から目線の態度は出来ないと言いたかったが、
「ねぇ、みんなの様子を見て」
リーフに促されて、みんなの方を振り向くと、
「まるで夢のようだ……こんな奇跡があるというのか……」
「神よ…我々にアフレクションネクロマンサー様を遣わせて下さったことを、心から感謝致します」
目に浮かべた涙が、頬をつたって流れるのが遠目からでも見えた。




