旅立ち221
そこにいた者達、ビレーもリーフですら目を丸くする。
こんな穢れた大地で、こんなに輝くマナを見れるなんて夢にも思わず、
「えっと…その……これをどうなされますか?」
しどろもどろになって、目の前のマナをどうすれば良いのか、アフレクションネクロマンサー様に判断を委ねる。
このマナがあれば、高純度な魔法を使うことが出来る。
アフレクションネクロマンサー様は、我々が戦えるようにマナを用意してくれたのだろうが、出来れば……
「これからでは、戦いに使うマナを用意する事は現実的ではありません。これは、みんなの体を癒す為に除霊をしてみました」
アフレクションネクロマンサー様の言葉、「除霊」したというのは分からなかったが、
「部隊を分けて、そこでマナを集めて貰えれば、マナを取り込んでも大丈夫なようにします」
礼人のその言葉で、不安という雲で覆われていた、みんなの表情が晴れやかになる。
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「ありがとうございます!!」
「我らがアフレクションネクロマンサー様!!」
部隊で分けられた所に礼人が出向き、そこで作られた窪みに溜まった赤いモノを取り祓って、穢れていないマナを生み出す。
穢れていないマナを生み出してくれた感謝の意を示すために、神に祈るように膝を地に付けて両の手を合わせるが、
「良いんです。傷付いた体を癒して下さい」
彼等の心から感謝しての行いだというのは理解出来るが、大仰過ぎるというか……
そこまで奉るかのような感謝の意を見せられてると、逆に申し訳無くなって、少し引きつった笑顔で応えると早々に次の所へと向かう。




