旅立ち218
突然、アフレクションネクロマンサー様から漏れた聞いた事の無い人の名前に、じいちゃんという家族を表す言葉。
この状況で、なんでその言葉が彼から漏れたのか、少し考えれば察することがも出来ただろうが、
「……私を指導してくれた人の名前です。この状況を、あの人達ならどうやって打開するか、思いを馳せていたんですよ」
礼人は、リーフが考える前に言葉で思考を遮り。
キョトンとしたリーフに微笑みながら(本当に…自分が判断して良いのか……)こっちを口にしないで良かったと、肝を冷やした。
「指導された方ですか」
「うん…私よりずっと優れた人達でした」
「アフレクションネクロマンサー様よりも……」
「それは力の事じゃなくて…人格……経験……何て言ったら良いんでしょうね?」
じいちゃんとアニーさんの事を、言葉にして表現するのがこんなに難しいとは……自分の力量では推し量れない存在。
いつか、あの二人を言葉で語れるほどに成長出来ればと、想いを馳せようとした所で、
「アフレクションネクロマンサー様」
ビレーが側に寄って来て、
「言われた通りにエルフの皆にお願いして、マナを集めましたが……」
現実に引き止めてくれる。




