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旅立ち212
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「あの…ビレー様、あの方は本当にアフレクションネクロマンサー様なのですか?」
「あぁ、お前達も見ただろ。あの不思議な力を……あの方はアフレクションネクロマンサー様だ」
貴族のエルフ達が渋々と、この場から逃げ出した後、礼人が助けたオークからは懇切丁寧な心からのお礼を言われたのだが、周りにいたオークや下士官のエルフ達からは、
「アフレクションネクロマンサー様…なのか?」
「私達の味方をしてくれているのは、間違い無いですが……」
冷ややかな目線ではないが、どうしたら良いのか分からずに礼人と距離を取って、ビレーの下へと集まっている。
「アフレクションネクロマンサー様…みんなに悪気は無いのですが……」
「うん、仕方無いよ。得体の知れない存在に恐れるのは、当たり前の話だから」
助けられたにも関わらず、恩知らずな態度とは言わない。
自分はこの世界では異物であり。
写真があって、これがアフレクションネクロマンサーという明確なのは一切なく、伝承だけで伝えられて来たのだから、戸惑って距離を取るのも無理は無い。




