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旅立ち191
(これで良いんですよね)
あの時の二人、じいちゃんとアニーさんから感じたのは、濁りの無い芯の強さ。
芯の強さは、不安がっている人や気落ちしてしまっている人の、心の拠り所になることが出来る。
礼人の真っ直ぐな意思に、リーフ達の落胆していた表情にも明るさが戻り、
「さぁ行きましょう?今は姿を見せないのが一番良いと私も思いますから。身の隠し方は後で考えましょう」
「はい!!」
(やっぱりこの人は……)
腰を上げて背を伸ばし、自分達が向かうべき方角を迷い無く向く彼は、
(アフレクションネクロマンサー様になるお方……)
その志は間違いなく、物語で話されて来た英雄そのもの。
共に歩み、共に進めばいつかは大輪を咲かせる希望の花。
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そうして、最後の夜を迎えるまで、ひたすらに山の中を歩き続けてたのだが、
「助かります」
「気になさらないで下さい。助け合う事が大事…そうですよね?」
礼人は山の中を歩き始めてから、しばらくして、
「……私の事をおんぶしながら、移動して貰う事は出来ますか?」
自ら、この山の中を歩く事を拒否して、誰かの世話になることを望んだ。




