旅立ち187
しばしの休憩の後、礼人の息も整い始めた所で、
「今日の夜には、戦場の近くまで戻る事になるが戦場を迂回して、仲間達がいる本陣に合流するのだが……」
ビレーは今後の話をしている所で、礼人の方を見て少し困った表情を浮かべる。
「……自分って目立ちますか?」
そんな、彼の困った顔を見て礼人は「自分では役に立たないですか」っという否定的な言葉よりも、前向きとまでは言わないが、場の雰囲気が悪くならないような質問をすると、
「えぇ…その服装も耳も、アフレクションネクロマンサー様を話す時の出で立ちそのものですから……」
どうやら、ビレーが悩んでいた事とドンピシャだったらしい。
「マントは……無いわよね?」
「えぇ、それは奪って無いです」
みんなが一様に悩み始めてしまう。
「……アフレクションネクロマンサーは英雄では無いのですか?」
会話の流れとマントという単語から、どうやらみんなは自分の存在を秘匿したいらしいが、ここまでの行動や態度を見ても、自分達だけで利権をがめるような人達には思えない。
だとしたら、アフレクションネクロマンサーだ。
アフレクションネクロマンサーに問題があるとしか思えない。
礼人の質問にみんなが互いに顔を見合わせて、申し訳なさそうな顔をしてしまっている。
騙されたとか、担がれたとかでは無いのであろうが、
「アフレクションネクロマンサーを、心地良く思わない人がいるんですね」
アフレクションネクロマンサーという英雄は、立場によっては邪魔で仕方無い存在なのだろう。




