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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
夢の中
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夢の中38

極論を言えば、世間にバレなければ良い。


妖怪や幽霊を撮った映像や写真をネットに上げられても、現代ならフェイクとか都市伝説といえば笑って終わらせることが出来る環境が整っている。


だから、この鋼鉄の巨人が民家にまで行って撮られる分には何とかなるが、確固たる証拠として悪霊に憑依された物を持っていかれたり、憑依された人間が世間の日の目に晒されてはいけないのだ。


霊能者達の目標に人を守るというのも含まれているが、妖怪や幽霊を始末して世間を守る事が第一優先であり、妖怪や幽霊を始末するための情報を得るために犠牲は出すのは止むを得ないが、一般人を守るために命を掛けるのは上層部としては頂けない。


現場で戦っている霊能者達にとっては、目の前の命を危機に晒し、ましてや口封じの為に一般人を処理する事態を避けたいと思っているが、


「さぁ撤退です!!負傷者を連れて下山して下さい!!」


そこには確かな優先順位がある。


アニーは全員に命令を下しながらも、みんなが逃げられるように殿しんがりを務めようと剣を構え、


「ぎゃっ……!!」


まるで小動物が鳴いたかのような声が耳に入り、その声が聞こえた方を振り返ると、また仲間が吹き飛ばされている。


さっきのゴリラが荒々しく走るようなタックルで、仲間が吹き飛ばされてしまったのなら、アニーは「油断しないで!!」……っと叫んだいただろうが、


「ぐぅぅ……」


鋼鉄の巨人はうめき声ではなく、小さく声をうならせながら直立不動で立っていた。


光の矢を受けた鋼鉄の巨人が一切の苦しみも無く仁王立ちしている。


鋼鉄の巨人に突き刺さった光の矢は時間が経った故に、魔力のエネルギーが尽きて消えてしまい、攻撃を与えた箇所のダメージすらも感じさえないほどに堂々と立っている。


(……面倒ですね)


何となくは予想は付く、鋼鉄の巨人の中の悪霊は凝縮されて詰められていて、攻撃を受けて消滅なんなりはした場合、中の悪霊が広がって対処するのだろう。


その方法で対処しているのなら、悪霊を放出させ続ければいつかは中の悪霊が足りなくなって、鋼鉄の巨人は動かなくなるであろうが、現状のメンバーでそれを行うのは無理な話であった。

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