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旅立ち178
「良い名前ですね」
「ありがとうございます……」
お互いに初めての交わす名前、礼人は当たり障りなく、リーフの名前を褒めるが、リーフは逆に礼人の名前を聞いてどもってしまう。
「……何か自分の名前に気になることが?」
「いえ…そうでは無いのですが……」
そんなことは無いと信じたいが、自分の名前がこの世界ではあまり良くない意味……例えば「お前を殺す」とかそんな意味を持っているかもしれない。
ここまで普通に会話が出来ているのだから、そんなことは無いだろうが万が一、その場合だったならば偽名を使うのも止むを得ない。
「遠慮しないで、後々面倒になる前に私の名前がおかしかったら、教えて頂けませんか?」
相手が言いやすいように微笑みながら朗らかに、柔らかく声を出すと、
「そのですね……」
「はい」
リーフの言葉に相槌を打って、言いやすく誘導してあげると、
「アフレクションネクロマンサー様にも、お名前があるんですね」
「えっ?」
それは、礼人にとって予想だにしていなかった返答であった。




