旅立ち174
命あっての物種。
拠点を造る際、火計をされにくくする為に燃えにくい木々を見付けて拠点を造ったのだが、
(燃えカスを食べる事になるだろうな)
さすがに、あそこの周囲一体は燃えて朽ちてしまうだろう。
ビレーも眠りにつき、礼人も目を閉じて小さく息を吐く。
みんなが暗い夜を過ごし始めた中で、リーフは寝つけないのか、礼人の横顔を心配そうに見つめる。
物語の中から現れた英雄は、確かに説明の出来ない英雄の力を見せてくれたが、それでもどこか危なげで弱々しい雰囲気がして……
「あの、アフレクションネクロマンサー様は眠らなくて良いんですか?」
「……よく、目をつぶってるだけって気付きましたね」
「何となくです……」
何とかしなきゃと強がっているようで、気になって声を掛けたら眠っておらず、
「見張りでしたら私がやりますから……無理をされると移動の時に体に障ります」
「ありがとう……でも、そうじゃないんだ」
自分より体格は小さく、顔付から見ても2~3歳は年下の子供だと推測出来る、
英雄アフレクションネクロマンサー様といえど子供に無理をさせたくなかったが、アフレクションネクロマンサー様は何か考えがあるのか、リーフの心配に対して微笑みを返しくれる。




