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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
夢の中
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夢の中37

崖から勢いよく転げ落ちてくる岩石のように突っ込んでくる鋼鉄の巨人。


アニーは成す術が無いと、反撃する構えを見せずに横っ飛びに鋼鉄の巨人のタックルを避け、


「私が次の矢を左足に撃ったら下山しますよ!!」


この戦いを放棄することを選ぶ。


「アニーそれは……!!」


「仕方無いでしょ!!無謀に戦って死ぬのが美徳なんて古臭いことを言わないでください!!」


「そんなことをしたら……!!」


「民間人に被害が出るのを承知で言っているんです!!」


それは鋼鉄の巨人に恐れをなし、民間人に被害を出してでも尻尾を巻いて逃げたいという考えではなく、


「私達が死んだら、どうやって対抗するというんですか!?」


この先の事を考えての判断であった。


悪霊や化け物から民間人を守る時は必ずと言って良いほどに、彼ら霊能者に頼らないといけないのだが、彼ら霊能者は数はとても少ない。


その理由は血筋、土地柄、偶発的に開花するなどであるのだが、血筋ですら二月の娘が開花せずに孫の礼人が霊力を開花させるなど不安定で、土地柄、俗な言い方だとパワースポットのような場所でも、土地の力を霊力として身に宿して産まれる子は少ない。


さらに、後天的に霊力を宿すというのはほぼほぼありえない話で、それこそ霊に憑かせて無理矢理霊力を発現させるという方法があるが……それをされた者の大半は発狂して廃人になるのがオチである。


霊能者というのは才能か、偶然の産物なのだ。


そして、これが問題を産み出すのである。


彼ら霊能者には命懸けで戦って貰わねば民間人を守ることが出来ないのだが、本当に彼らに命に変えて戦われたら、その後の補充の見通しは付かず、ここで彼ら霊能者が全滅すれば、その打撃は計り知れない。


だから、彼ら霊能者達は民間人を守るために全力を掛け、命懸けで戦って……時には状況を見て逃げ出さなければならない……それは例え民間人に犠牲者が出ようとも……


先程は一般人に妖怪や幽霊の存在がバレたら、世界は崩壊すると言ったがそれは嘘ではない。


一般人では決して抵抗出来ない存在、そんなモノが世間にバレてしまえば生活様式は一変してしまう。


そんな状況にしないためにも最悪の場合、一般人を口封じする場合もある。

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