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アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
旅立ち
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旅立ち163

頭の中に何も浮かんで来ない。


状況を打開するための文字も、自分を奮い立たせる言葉も、抵抗するための動作も、何も浮かばない。


何かを考えなければと思っても、考えを燃やすための燃料が無い。


幽霊や妖怪を対峙する知識はあっても、生身の相手を殺す知識が無いから考えが燃え上がらない。


(何か抵抗しないと……)


どうする?どうにかしないと?なにかしないと?そればかりが頭を支配して、体を動かして逃げるという判断すら出来ず、


「があぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


棒立ちになっている獲物をリザードマンが見逃すはずは無く、跳びつけば間違い無く獲物を殺せる所に辿り着いた時には、幅跳び選手のように宙を舞っていた。


目の中がまだチカチカするが、それでも驚愕した表情で自分を見つめる獲物が見える。


リザードマンは、この表情を何度も見て来た。


オークに囲まれて身を隠しながら、せこせこと魔法を使う貧弱なエルフが、自分を守るオークを殺されて逃げ惑うことが出来ず。


殺される覚悟も出来ずに、どうしたら良いのか分からずに驚愕する表情。


その表情は手立てが無い事を教え、孤立したエルフを確実に殺せる時間の訪れを伝えてくれる。


爪を喉に突き立てても、心臓に突き立てても良い、顔を掴んで握り締めて砕いたって良い。


どんな殺し方をしても良いが、


(すぐに殺してやる!!)


炎の中で戦う仲間達のためにも、目の前のアフレクションネクロマンサーというエルフを一瞬で肉屑に変えるのが一番良い。

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