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旅立ち160
しかも、その関与の仕方が何もしなかったせいで、オーク達が死ぬという最悪の形。
オーク達が皆殺しにされて、その上で自分も殺されるのなら立つ瀬もあるかもしれないが、ここで何もしないで、オーク達が被害者を出して何とか生き残り、その御相伴に預かってはアフレクションネクロマンサー様ではなく、ただの足を引っ張るお荷物になってしまう。
名誉とかメンツとかでなく、自分が役に立たない存在だというのなら、ここに何の為にいるのか分からない。
(手がダメなら……羽を展開すれば良い!!)
足手纏いになり、守られるだけの存在になる位なら、命懸けになってでも戦いたい。
身を縮め、動かなくなってしまった手には意識を回さない。
いつもとは違う霊力の羽ではなく、雷の羽を作り始める。
(……そういえば、雷の羽なんて初めてだな)
霊力で雷球や火球を作ったり、蝶の形にすることはあったが、自分の身体の能力を上げるための霊力の羽に雷や火にする意味は無く、その手の練習をした事が無かったが、
(やりにくい……)
こうやって手が使えなくなった時の事を想定して、練習するべきであった。




