旅立ち149
ビレーが、光で目を眩ませるという事に付いて疑問に思ったのは、音と光が武器になるという事を知らないから、光はあくまでも周囲照らす物という固定概念があり。
太陽を見て眩しいと思っても、目が眩むまで見る事など普通は無い。
経験したことの無い言葉に、ビレーは半信半疑になってしまうが、
「良いですか。今からすることで相手は、ほんの少しこちらを見失います。その隙を突けばこちらが間違い無く有利になります。絶対に下を向いて下さい」
自信満々では無いが、何かしらの確証があるらしく、念を押してくる言葉に、
「分かりましたが、アフレクションネクロマンサー様がいきなり言っても部下達は下を向かないでしょうから、私が復唱するので、それまで待って下さい」
信じる事にする。
礼人は一度深く息を吸い込み、肩の力を抜いて手の平に圧縮した光球を作り出し、
(今度こそ大丈夫だ)
先程のような二の舞をしまいと覚悟を決め、
「みんなを下に向かせて下さい」
「下を向け!!」
礼人の合図に合わせて、ビレーが全員の命令を下すと、オーク達は何の疑念を抱く事無く、命令通りに下を向いた瞬間、
「ギャオ!!」
「ぐぁ!!」
辺り一帯を白く輝かせる閃光が走ったかと思うと、リザードマン達の驚く声が響く。




