旅立ち147
「……全員、アフレクションネクロマンサー様を守るぞ!!」
「はい!!」
アフレクションネクロマンサー様を連れ帰る、それがリーフの願いだと思い出すと、ビレーは立ち上がってハンマーを大きく振り回して戦う意思をリザードマン達に見せ付ける。
「聞こえるかキサマ等!!ここにいるのは我等が英雄アフレクションネクロマンサー様!!その力は今見せた通り!!お前達の炎を掻き消し、炎の中にいた者を昏倒させるだけの力をお持ちになっているのだぞ!!」
大きな声で啖呵を切るビレー。
アフレクションネクロマンサー様は、あくまでもエルフとオーク達の英雄なのだが、その名はリザードマン達にも轟いていた。
その轟いた内容は英雄というよりは、エルフよりもさらに強いマナを扱えるという認識で、こっちの世界で言えばハイエルフのような存在として捉えられている。
未知数な敵であり、噂のような存在であったが、その力をまざまざと見せ付けられ、それがアフレクションネクロマンサーだと言われては信じるしかない。
森の中でザワザワとしてざわめきに、
『ガサッ……』
少しだけ動揺の音が聞こえる。
リザードマン達が、こちらに対して躊躇している隙に、地面に伏せていたオーク達も立ち上がって再び壁になった所で、
「アフレクションネクロマンサー様……何か手立てはありますか?」
ビレーは小さい声で、アフレクションネクロマンサー様の出来ることを確認する。




