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旅立ち143
争いである以上、一方的に相手を攻撃出来る武器というのは、仲間を傷付けずに敵を制圧することが出来るという事であり、それは、ありがたい話なのだが……
「きゃっ!?」
自分が作り出した武器が、殺戮の兵器になる可能性に危惧したのも束の間、彼女が尻尾を踏まれたネコのような声を上げた時には、持っていた大剣を放り投げていた。
それは突然の事。
「なに…これ……」
手を温かく包んでいたぬくもりが、急激に熱を帯びて手の平を焼こうとしてきた。
痛みが走った瞬間には驚いて手を離したのだが、それでも手の平は痺れて震えてしまう。
リーフは手の平に感じる痛みが、手の平から腕へと、木に巻き付きながら登る蛇のように登り、上る途中で何度も何度も牙を喰い込まされたかのようで。
その痛みに耐え切れずに地面にしゃがみ込んでしまう。
「リーフ!?きさま何をした!!」
地面にしゃがみ込んだリーフに、いち早く介抱に向かったビレー。
少しでも痛みを和らげたくて手の平を広げ、それでも痛みに耐え切れずに震えるリーフを見て、アフレクションネクロマンサー様を「きさま」呼ばわりする。




