旅立ち135
だが、炎で照らし出されているとはいえ、暗闇が混じる明るさではリーフを探し出すのは難しいだろうが、それは根本的な解決にはならない。
現在、自分達の周りの木々を炎が燃やすだけで済んでいるのはリーフが障壁を展開してくれているからなのだが、それは逆を言えば、リーフの障壁が消えてしまえば自分達は炎に包まれてしまう。
(やるしかない……)
ビレーは眼前で燃え上がる炎に目を細める。
一度燃え上がった炎を消すのはとてもじゃないが、リーフ一人のマナでどうにかなるものでは無い。
燃え上がる炎のせいで、全員が二の足を踏むが、
『コッコココッ』
「舐めるな!!」
『ドゴンッ!!』
炎の中から、こちらを舌なめずりするように鳴いた声に、ビレーは大地を叩いて威嚇する。
リザードマンが炎の中を動き回れるのは、鱗にマナを蓄える事が出来るおかげで、彼等も体にマナの薄い膜を作り出しているからである。
マナが尽きない限りは、リザードマンは自分達で吐き出した炎に焼かれる事は無い。
さらに、炎の中を突破しようにも我々は炎の中では視界を奪われるが、リザードマンにはまぶたとは違う、薄いフィルターの役目を果たす膜があり、その膜で目を保護して視界を確保することが出来る。
見える者と、見えない者の戦いでは一方的に殺されてしまう……
「リーフ頑張れるか?」
「やってみせます!!」
こうなったら消耗戦だ。




