旅立ち130
そんな思いをしながら赤い水を飲み込んでいたからこそ、純粋な果実酒だけを飲めると思うと心から嬉しくなるのも無理のない話。
「そうだな。リーフ、アフレクションネクロマンサー様を降ろして、休憩を取ろう」
疲れ果てて眠っているアフレクションネクロマンサー様には申し訳ないが、ここで喉を潤すのは、この後の事を考えても重要な事であり、リーフはビレーの言う事に従って、一度アフレクションネクロマンサーを降ろして、身近な木に体を寄り掛からせて、
「ごめんなさい…少しだけお待ち下さい」
配られる果実酒を貰いに行く。
こうして、アフレクションネクロマンサー様が目を覚まさずに一日目が過ぎて、二日目。
太陽が真上まで登り、夜更かしをしたり寝坊助でもない限りは、目を覚ましてお昼ご飯を食べる時間。
リーフ達も、その例に漏れることなく、お昼ご飯にクルミのような木の実をポリポリと食べているのだが、
「大丈夫ですよ。ここまで来るのに余程お疲れだったのでしょう。息をしているのですから、じきに目を覚まします」
「うん……」
その例に漏れる形で、アフレクションネクロマンサー様はいまだに眠り続けている。
食事もトイレも何もしないで、ひたすらに眠り続けるアフレクションネクロマンサー様。




