旅立ち128
アフレクションネクロマンサー……リミィが最期に約束してくれた、私への贈り者。
リミィが約束を守ってくれたように、この世界を新たに再生しないといけない。
リディは思い出の中での約束を胸に、
「私は運命を信じている」
「運命を信じている?」
「そうだ……運命には偶然もあるかもしれないが、自分の行って来た事に対して偶然というものが付与する……アフレクションネクロマンサーがこの世界に来た偶然は、我々の確固たる願いが呼んだ運命なのだ」
目を細めて、まだ見ぬ再生された世界に思いを馳せながら、
(それにアフレクションネクロマンサーが、すぐに私達の元に来るより自分の目で、この世界を感じた方が良いのかもしれない……)
この世界を新たに再生するための鍵が、自分の元へと来るであろうと信じるのであった。
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「姫、お加減はいかがでしょうか?」
「ありがとう、食事も睡眠も取れてるおかげで、もう大丈夫よ」
あの拠点から食料を強奪してから三日目、みんなが持って来てくれた食料はゆうに十日は不自由する事は無い量があった。
それに加えて道中の鉄騎兵も、アフレクションネクロマンサー様の御加護なのか、レンスが約束してくれたお陰なのか襲って来る事も無く、ゆっくりと睡眠を取れたことによってリーフだけでなく、ビレーや他のみんなの血色も良くなり、あの時の悲壮感の影はどこにもない。




