旅立ち117
「待て!!お前達は三人だけじゃないのか!?」
「みんなが揃ったからって、争ったりはしないわ」
「当たり前だ!!どっちが不利か考えろ!!」
外から聞こえるガヤガヤとした音に、彼女は相当数の敵が忍び込んでいる事に驚きながらも、面倒事が増えるのではないのかと懸念する事になるが、
「みんなここよ!!」
そんな彼女の不安をよそに、みんなが自分がいる大広間に来れるように、リーフは大きな声を上げて、
「姫ー---!!!!食料を確保しましたー---!!!!!」
「ここから脱出します!!!!お早く!!!!」
みんなが自分のいる場所に来れるように呼んだのだが、大きなみんなの声に混ざって、
『『『ガシャガシャガシャガシャ!!!!!!!!』』』
鉄が地面を叩くあの独特な音が聞こえて来る。
「みんな!!」
「それはそうだ。人の拠点に入り込んだら、見張りの兵に追い掛け回される」
「ここは私達の拠点です!!」
元々は自分達の拠点なのに、さも当たり前のように言われてリーフはムッとして、
「戦争というのは、そういう物だ」
「裏切者が!!」
彼女のどことなく淡白な言い方に、カッなって言い返した所で、
「姫!?」
「こちらにいらっしゃったのですか!!!!」
食糧庫を襲いに行っていたオーク達が、リーフの声に誘われて大広間の中に雪崩れ込んで来る。




