旅立ち109
今でも、アフレクションネクロマンサー様の記念日には、動かなくなってしまったが、アフレクションネクロマンサー様が作り出した古い……
「麗騎兵……」
美しく、鮮やかな光を輝かせる麗しき騎兵、麗騎兵を飾る。
お祭りの時に見た、鮮やかで、爽やかな緑色の輝きを放つ麗騎兵よりも、美しい光を溢す蝶が舞っているのだ。
夢の中で見付けた幻が、現実の世界で舞うような何とも言い難い光景。
礼人はアフレクションネクロマンサーが、何なのか知らないから、じいちゃんが手助けをするために何処かにいるのではないかと、辺りを見渡し。
鉄騎兵を連れている彼女は、すでに息も絶え絶えな二人が、アフレクションネクロマンサー様が作り出したとされる麗騎兵と同じ色をした翡翠の蝶を呼び出したと思えず、辺りを見渡し。
「やっぱり…あなた様が、アフレクションネクロマンサー様なんですね……」
運命を信じて、一度は自分達の希望では無いのかもしれないとショックを受けたが、それでも最後には自分達を庇う事を選んでくれた少年。
リーフには分かった。
アフレクションネクロマンサー様の作り出した希望の光と、同じ色を纏う蝶がどこに行くのか。
リーフは二人と違ってキョロキョロと辺りを見渡すこと無く、翡翠の光を溢す蝶が向かう人物を見つめていると、蝶は礼人の鼻先にとまるのであった。




