表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アフレクションネクロマンサー 序章  作者: 歩道 進
旅立ち
306/1400

旅立ち107

それは、じいちゃんが霊力を形にする時に、悪霊と戦う時に作り出していた蝶に酷似している。


若干の違いと言えば、じいちゃんが作り出した蝶は乳白色で、雪の日に浮かぶランタンのように淡い幻想的な光を溢すのだが、それはこの異世界のせいで何らかの違いが出ているのかもしれない。


礼人はひらひらと舞う蝶から目を離すと、どこかにじいちゃんが、自分を助けるために隠れているのではと思い、キョロキョロと辺りを見回す。


「なんで…ここに……」


「そんな…バカな……」


争いの最中でも想い人を探す礼人をよそに、ひらひらと舞う蝶を見るリーフと鉄騎兵を連れている彼女は、礼人とはまた違った表情で、翡翠の蝶を見つめる。


アフレクションネクロマンサーである証拠を見せてみろと、彼女は言った。


独特とはいえ、マネようと思えばマネられる服では無く、特徴的な丸い耳だが、削ぎ落せば丸くなる耳でも無く、もっとアフレクションネクロマンサー様と言われるだけの証拠を見せろと。


それが一体何のなのか、具体的にどういう物を見せれば納得するのかという事は言わなかったが、ひらひらと舞う蝶を見た彼女は明らかに狼狽して、礼人と同じように誰かを探すように辺りを見渡す。


「アフレクションネクロマンサー様の光……」


ひらひらと羽ばたく蝶を見たリーフの声は震え、目には涙が浮かんでいたが、その表情には絶望は無かった。


それは、信じられない物を見たという驚愕の表情ではあったが、探し続けていた物を……決して手にすることが出来ないと諦めていた物を手にした時の、喜びに満ちた表情を浮かべている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ